共和党大会 メラニア夫人のスピーチ

先日の共和党大会でのメラニア夫人のスピーチ全訳です。

 

4年前はスピーチの盗用などでかなり叩かれていたメラニア夫人。民主党や一部メディアは意地悪な気持ちで彼女のスピーチを見ていたと思いますが、とても良いスピーチだったと思います。大統領を支えるファーストレディーとして、一人の女性として、移民として、彼女特有の視点からこの国の美しさを述べて、国の団結を呼びかけ、同時にトランプ大統領がいかに尽力してきたかが分かるエピソードを紹介していました。

 

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2020年8月25日 トランプ夫人の演説(共和党党大会にて)

 

原文参照:

https://www.cnn.com/2020/08/26/politics/melania-trump-speech-transcript/index.html

 

 

こんばんは。夫が共和党の指名を受諾し、45代目のアメリカ合衆国大統領に選出された、最初の党大会がつい昨日のことのように感じられます。夫はこの国を率いる行動力と熱意を持った人です。それは4年前も今も変わっておりません。夫や親族に代わりお伝えします。政治の世界に身を置いたことのないビジネスマンに賭けてくださった皆さんを忘れていないと。夫が最高司令官に選出されたのは、皆さんのおかげです。そして、再任も皆さんのお力によります。あの日、私たちは皆さんの甚大な支援に畏怖の念をおぼえ、今日に至るまで感謝の気持ちを抱いています。

 

三月以来、私たちの生活には劇的な変化がありました。目に見えない敵、COVID19が私たちの美しい国に蔓延し、国民皆に大きな影響を与えました。最愛の人を亡くされた方々に心からお悔やみを申し上げます。そして、今も病気で苦しんでいる方々に祈りをささげます。多くの方々が不安を感じ、遣る瀬無い気持ちを抱えられている方もいらっしゃるでしょう。でも皆さんは一人ではありません。夫の率いる政府は、皆様に効果的な治療やワクチンが行き届くまで、戦うことをやめないでしょう。ドナルドは、この恐ろしいパンデミックに苦しめられている皆様に支援がいき届くまで、休むことはありません。この困難の時期に立ち向かって下さった、医療従事者のみなさん、最前線で働く方々、先生方、皆様に感謝の気持ちをお伝えします。ご自身と家族の危機を顧みず、まっさきに国のためにつくして下さったことを、夫と私は大変感謝しております。私は、このような前例のない、時として恐ろしい状況でアメリカ国民が団結している様子に大変心を動かされました。私たちは将来この時をふりかえりながら、孫たちにこういうでしょう。親切な心、慈悲の気持ち、強さと決断力が、この国の未来を取り戻したのだよと。ビジネスが向上し、ボランティアが助けに入る。人々はアイデア、物資や資金、あらゆる援助の手を、隣人であれ知らない人であれ、惜しみなく出し合いました。

 

今までになく脆い状況のなか、この偉大な国の国民が手を取り合っている様子に大変励まされます。強さと決意といえば、昨日、憲法修正19条の100周年記念が行われました。昨日、ホワイトハウス北側の芝に、婦人参政権の展示を披露しました。全国の子どもたちから、歴史における女性の意義に敬意を払う作品を送ってもらいました。作品を審査するにあたり、私はこの国のストーリーの中の女性の声が与えた力について熟考し、11月にまたドナルドへ投票できることを誇らしく思いました。アメリカの夢が繁栄し続けるために、女性の声は確かに聞きいられなくてはなりません。

 

社会主義時代のスロバニアで幼少期を送った私は、アメリカという素晴らしい国、自由とチャンスの国があるといつも聞いていました。大きくなってからの私の目標は、そのアメリカに移り住み、ファッション業界で働く夢をかなえることでした。両親は、祖国を離れ家族がアメリカで成功するということだけに留まらず、人々を受け入れて夢を実現させてくれる国のために貢献できるよう懸命に働きました。

 

今、この場をかりて家族のためにつくしてくれた両親に感謝の気持ちを伝えたいと思います。私が今日この場にいるのは、全てあなた方のおかげです。

 

26歳の時、アメリカに着きました。チャンスの国アメリカに住み、働く。それは私の夢が実現したということ。ですが、私はそれ以上の望みを持ちました。この国の国民になりたいと。書類を作り、根気強く待つこと10年、2006年に(国籍取得のための)テスト勉強をし、アメリカ国籍を取得しました。

 

そのことは私が人生で最も誇りに思う瞬間のひとつです。懸命に努力し、決意を固くしたことで、私のアメリカン・ドリームを実現させたのですから。一人の移民として、また独立した女性として、この国に住み、自由とチャンスを謳歌できるというのは大変恵まれたことだと自負しております。そして、ファースト・レディーとして、国民の皆さんの夢が何度も何度も実現されていくのを見るのは幸福なことです。私は今まで、たくさんの女性、子供たち、親、そして家族に会い勇気をもらいました。彼らは、中毒、ホームレス、闘病中や亡くなった家族がいたり、あらゆる形の暴力やその他の困難など、普通の人が諦めてしまう、人生を一変させる難題を克服してきた方たちです。この三年半は決して忘れることができません。皆様のファースト・レディーとしてお仕えする名誉、恐れ多い気持ち、幸運は言葉で語りつくせません。

 

多くの経験をした今、私の心に刻まれた人々のことを全て皆様にお伝えできるかわかりません。自己を犠牲にしている勇敢な兵士たち。皆さんのおかげで、私が出会ってきたあらゆる状況にいる子どもたちは自由でいられます。勇気づけてくださりありがとう。あなた方のために仕えることは大変な名誉です。軍の皆様に話しをきくと、家族との時間を犠牲にし、戦争の恐怖と犠牲に耐えながらも、国のために仕えることに後悔の気持ちはありません。そして、そのご家族や、第一対応者(消防隊、警察、救急隊など)のご家族の皆様も同じです。彼らはいつも最愛の人がいつ帰ってくるかも、本当に帰ってくるかも分からないまま見送っているのです。身内をなくしたご家族とお話をすると、その声にはいつも苦しみとともに誇りがあることに私は考えさせられます。兵士として、第一対応者として国に奉仕してくださっている皆様、ありがとうごうざいます。そして、彼らを待っている家族の皆様、ありがとうございます。あなた方は正義のヒーローです。病院、学校、世界のあらゆる地で出会った子ども達や家族にも感動しました。大人でさえも耐えられないような痛みや病気に立ち向かっている子どもたち。その家族は朝を迎える度に、子供が今日も生きていることに感謝しています。彼らは、信念と医学、強さと科学の可能性の証であります。

                                              

ファースト・レディーとして初めて他国を訪問したとき、夫と私はイスラム教、キリスト教ユダヤ教の三大宗教がそれぞれ重んじられている国々を尋ねました。その際の一人の男の子との出会いは大変印象的でした。イタリアのローマにあるBambino Gesu病院に訪れたときのことです。私が男の子に読み聞かせをしていた際、その子が長い間心臓移植をまっていて、予後も良くないということを知りました。彼のおかれている状況を知り、私とスタッフは涙を流し、次の目的地であるベルギーへ移動する飛行機の中でも口数が少なくなりました。数時間後に着陸したとき、心臓の提供者が見つかり男の子へ移植されるとの知らせを受けました。私はその子のことをしばしば思い出します。その際、この国の素晴らしく、強い、多くの幼い患者たちのことを思います。自然災害で影響を受けた地域では、この国の強さと気質がみられました。ハリケーン、トルネード、洪水は母なる自然の危険な一面をみせますが、その後に私たちは人間の美しい一面を見出します。夫と私は、自然災害の被害をうけた様々な地を訪問し、すべてを失った人々が見せる強さと隣人や地域の親切な心に、感銘をうけて参りました。この三つの困難に共通しているものは、他者を助けるという確固とした決意です。

 

今まで、特別な状況下で生き抜く人々についてお話してまいりました。ですが、ドナルドと私は、家族を養い安全を確保するというシンプルかつ勇敢なゴールを持ちながら毎日を生きている何百万の国民の皆さんに励まされてまいりました。皆さんがこの国を支えています。皆さんがアメリカの今を作り上げ、より良い形で未来の世代に託す重要な責任を担っています。

 

皆さんが家族のために戦うのと同じように、夫や家族、政権スタッフは皆さんのために戦っています。メディアの批判的な見出しや、偽りの見出し、反対勢力からの攻撃にも関わらず、ドナルド・トランプはずっと、そしてこれからも皆さんに焦点をあてることを忘れません。彼はこの国を愛し、するべきことを知っています。この五年間にお分かり頂けたように、彼は典型的な政治家ではありません。言葉を口にするだけではありません。行動を求め、結果を得るのです。この国の未来をとても重要に思っている。そういったところに私は敬意をもって参りました。

 

次の世代によりよい未来を託したくて立ち上げたのがBe Bestです。これは子供たちの最大限の可能性を引き出すお手伝いをするために私が主導しているものです。Be Bestには一つのシンプルな目標があります。それは子供たちに、精神的にも肉体的にも健康で幸福な状態を保つことの重要性を教えることです。その中には、オンラインの安全性について、オピオイドや薬物乱用の危険性について等の理解を深めることも含まれます。Be Bestの活動を通して、スタッフと私はこの国や世界中で、並大抵ではない活動をしている人々や組織に光をあててまいりました。こういった良き例となる方々にスポットライトをあてることで、国中の他の人も影響をうけ、未来へと繋がると私は信じております。子供たちを助けるということは、政治的な目的ではありません。これは道義的になくてはならないことなのです。

 

Be Bestを定義づける瞬間について考えるとき、私はアフリカへの旅を思い出します。この広大で美しい地で、ガーナ、マラウィ、ケニア、エジプトを訪問しました。その中で、特に印象深い訪問があります。ガーナです。西アフリカの沿岸にあるこの国が私の最初に訪問した国で、そこに住む方々の温かさや伝統に直に触れました。滞在中にケープ・コースト城(訳注:18世紀奴隷貿易の拠点となっていた建物)を訪れ、奴隷貿易時代の、残酷で死の危険に満ちた旅の出発地についての知識を深めました。ガイドから非人道的な話をたくさん聞き、私は恐ろしくなり、そして新たな視野を持ちました。未来に二度と同じことを繰り返さないよう、私たちはこのことを忘れてはならないのです。

 

皆さんと同じように、私はこの国の人種問題について思いを巡らせています。このことは、私たちの歴史の中で恥ずべき部分であるという厳しい現実があります。皆さん、どうか過去から学びながらも、未来をみすえていって下さい。今日の私たちは様々な人種、宗教、民族からなる一つの社会なのだということを忘れてはなりません。この多様性と、様々なストーリーがこの国を強くし、さらに我々は互いに多くのことを学ぶことが出来るのです。

 

そのうえで皆さまにお願いします。一度立ち止まってください。そして、様々な面から物事を見て頂きたい。清く正しく団結して、共に取り組みアメリカの理想にこたえましょう。そして、正義の名のもとに行う暴力や略奪をやめ、肌の色で何かを判断しないようにお願いしたい。何かを破壊するかわりに、自分たちの過ちを見つめましょう。我々の革命に誇りを持ち、前を向いていきましょう。私たちは神のもとで一つの国家であり、お互いをいつくしんでいるということを毎日思い出してください。

 

夫の政府は、この国の人種や宗教の問題に関する問題に対し、変化を起こそうと懸命に取り組んでおります。夫は国際連合総会の特別会合を開き、世界の国々へ宗教迫害を終わらせ、人々の信仰を守る権利を呼びかけた初めての大統領です。また、夫は黒人の大学やカレッジに多大な投資を行いました。学校選択のためにも戦い、親が子供たちの繁栄を手助けする選択肢を多くもてるようにして参りました。夫は真に変化する方法を知っています。初めて会ったその日から、彼はこの国が最大限良くなることをただ願っていました。

 

ここ何年も、夫の心配と葛藤が大きくなるのを見ていましたが、この短期間に多くのことを成し遂げた夫を私は誇りに思っております。彼の心にアメリカがあります。夕方のニュースで流れるのは最悪な政治家のニュースばかりですが、この最も困難な時期に皆が一つになれる方法を考えていきましょう。人種問題で激しい論争が起こっていますが、これまでの発展を見つめ、より良い明日へ共に向かって行きましょう。

 

(続く)